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部下を育てる上司の"恐ろしい"言葉とは?

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海軍大将・山本五十六の名言

上司であれば、部下にどのような言葉を書ければいいのか、悩むという機会もあるのではないでしょうか?

もちろん会社で「上司」という立場でなくても、今まで、学校や部活では、「先輩」と「後輩」という立場で過ごす機会も多くありました。

「上司」にしろ「先輩」にしろ、厳しく接すればパワハラと言われ、優しくすればつけ上がる。ちょうど良い塩梅の言葉・態度で接するのは難しいものです。

会社に入社して数年すれば、後輩がいます。管理職になれば、当然部下がいます(まれに、ポストを作ることが主目的だったりすると部署の全員が管理職、という部門があったりします。先日お伺いした、ある会社の部署には、一つの部に3人の部長さん”だけ”がいらっしゃいました……。誰が"部"の"長"だったのでしょう?)。

そんな時、心に刺さる仕事での人間関係を謳った金言↓。

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。

話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。

やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

山本五十六の名言

素晴らしい名言、と絶賛されていますが、いかがでしょうか?

会社の中だけでなく、子育てなどでも座右の銘として取り上げられる、人気のある名言です。

「褒めない」し「怒らない」アプローチ

また、アドラー心理学として、『嫌われる勇気』の中では「褒めない」し「怒らない」アプローチが紹介されています。

基本的に、「褒める」そして「怒る」というアプローチは、立場が上のものが、下のものを見下した関係性の中でとられるコミュニケーションであるとしています。そして、アドラーは、一見有用な「褒める」というアプローチを取ることには、相手の行動を操作しようとする目的があり、さらに褒めれば褒めるほど「褒められた側」を無能に陥れるアプローチであるとさえ断じています。

この辺りの思想は、かなり反発も予想される「常識に一石を投じる」言葉ではありますが、一度自分が行うコミュニケーションのあり方を考えてみるきっかけに、なるのではないでしょうか?

そして、「褒める」や「怒る」ではなく、「感謝」を伝えるという、新たなアプローチを推奨しています。

山本五十六やアドラー心理学の考え方以外にも様々な上司と部下の関係性を謳った名言やアプローチは数多くあり、組織論やコーチングなど様々な分野で応用されています。それだけ先人たちもチームを作って物事を進めていくことの難しさに苦戦していた、ということの証拠なのでしょう。

能力を引き出した、ある恐ろしい「言葉」

そんな中、先日(と言っても2015年のことですが)、「部下の能力を引き出す」という視点で見ると、大変面白いTVに出会いました。

スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の制作現場の裏側を密着取材した番組でした。2015年に公開された、説明する必要もないほどの大人気シリーズの7作目ですよね。

その番組の中では、映画作成の舞台裏をリポートしている俳優も、脚本家も、CGクリエーターも、監督も…様々なスキルを持つ一流の専門集団が最高の映画のために奮闘を繰り返す姿は、思わず引き込まれるものがありました。

その番組の中で、クリエーターが作ったCGのチェックが行われていました。クリエーターは自身が作成した会心のシーンを引っ提げて会議にやってきます。

迫力あるシーンを鑑賞したディレクター、映像を作成したCGクリエーターに対して一言だけ、発しました。

「このシーンを最高のシーンにするためには、何が足りないと思う?」

というのです…。なんてことを言う!?

初めて聞いた時、テレビの前で思わず「コワ…」とつぶやいてしまいました(笑)。

自分が言われたら、と思うと、恐ろしい言葉ではありませんか? ディレクターは、シーンに対して「良い」とも「悪い」とも一切言いません

評価は一切せず、ただただ、クリエーターに問いかけたのです。

「このシーンを最高のシーンにするためには、何が足りないと思う?」

解決策は実は本人が知っている

会議は、ディレクターの一言で終わりました。

時間にしても一瞬です。

そして、ディレクターの言葉を受けたクリエーターは、作り上げたシーンを持ち帰り、修正を始めます。実は、その修正の中でも、もう一つ目を開かせてくれる素晴らしいことがありました。

クリエーターは、「何が足りないか?」と聞かれました(少なくとも字幕では)。

普通、足りない、と聞かれれば、何かを付け足す方向で考えを進めていくかと思います。

ですが、クリエーターの彼が出した答えは反対だったのです。

何かを足す(プラス)することで改善していくのではなく、引く(マイナス)ことで進化させる

そのクリエーターは、自身がワザワザ作りこんだ映像の一部を削除することで、ディレクターの要求「このシーンを最高のシーンにするためには、何が足りないと思う?」に答えたのです。

私たちは

  • 自分が手掛けたこと
  • 労力をかけたこと
  • 時間をかけたこと
  • 思い入れのあること ……などなど

を削ることに抵抗を感じてしまいます。それこそ「我が子がかわいい」状態です。

でも、彼は、バッサリと切り捨て、そこに「余白」を作ることで、奥深さを感じさせるより良いシーンを作り上げることに成功しました。

なんでも足せば良くなる訳ではない、クリエーターはそれを教えてくれました。

「人間」を信頼してみよう。きっとうまくいく

山本五十六、アドラー、そして、スターウォーズ、3つの例をあげました。

子細はそれぞれ違いますし、言葉尻だけをとらえると、互いに矛盾していると感じられる部分もあるかもしれません(例えば、山本は「褒めてやらねば…」と言っていますが、アドラー心理学では「褒める」はご法度です)。しかし、これらのエピソードを見て根底にあるのは、

信頼

の2単語です。

上司が部下を根底で「信頼」していないと、山本やアドラーやスターウォーズのディレクターのような言葉を投げかけることはできないでしょう。

そして、その「信頼」に応えられる「情熱」「技術」が部下の側にもあることも重要になってきます。

一言に、部下にかける言葉、と言っても簡単にできることではないのかもしれません。

いきなり「信頼」と言っても難しい。ならば、まずは自分で自分を信頼してみるのはどうでしょう?

いきなりこれまでの自分のやり方・接し方を変えるのは難しいかもしれません。

部下を「褒めず」「怒らず」「信頼し」「感謝を伝え」、結果として部下が「能力を発揮している」とい状況のチームを作り上げるのは、究極の理想です。

ただし、難しいことと、不可能であることは違います。歩みは少しづつでもいいのです。

いきなり「部下」に言葉をかけるのが難しいのであれば、まずは、自分が自分の上司となって問いかけてみるのはどうでしょうか? 

スターウォーズのエピソードに習って

「この人生を最高の人生にするためには、どうすればいいと思う?」

こう問いかけてみてはいかがでしょう?(あえて「何が足りない?」とはしていません(笑))

答えは、きっと自分が知っています。まずは、自分を信頼してみましょう。

★今日の試してみたいことメモ★

  1. まずは「他人」の前に「自分」。
  2. スターウォーズのエピソードに習って(笑)「今日、この一日を最高の一日にするためには、どうすればいいと思う?」そう問いかけてみる。
  3. 問いかけた結果、自分自身が発する答えが、いつもとどう違うかorそれとも同じか、耳を澄ませてみる。
  4. もし、うまくいったのであれば、質問を大きくしてみる(「この人生を最高の人生にするためには、どうすればいいと思う?」などなど)
  5. そのうえで、他人に指示をしなければならないとき、助言を求められたときに、いつもとは違ったコミュニケーションを試してみる。

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