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ハインリッヒの法則を使って、欲しい結果を手に入れるには?

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ヒヤリハットに力を入れて取り組み、事故は小さいうちに処理

ハインリッヒの法則(Heinrich's law)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

自動車運転免許の教習のときには学科で何度となく聞きましたし、会社に配属されてからも最初の新人研修で習った人も多いのではないでしょうか?

1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在するというもの。「ハインリッヒの災害トライアングル定理」または「傷害四角錐」とも呼ばれる。

ハインリッヒの法則(wikipedia)

別名"1=29=300の法則"と言われたりします。重大事案が起きてしまうことの裏には、たくさんのヒヤリハットが隠れているので、重大事案の発生を避けたければ、ヒヤリハットに注意を向けて小さいうちに処理するのが大切、ということですね。

↓のような図がよく、使われます。

急がば回れで、効果を上げる!

このハインリッヒの法則に関連する事例はいろいろなところで引用されています。

例えば、アメリカのU.S.スチール社では、1900年代初め、以下の標語を掲げて会社を運用していました。いました。

生産第一、品質第二、安全第三

ただ、不景気も重なり、設備も老朽化、労働災害も頻発し、労働者の士気も低下、結果として第一として掲げた「生産」性が落ちてしまいます。

そんな状況を見て、1906年、今までの第三だった安全を第一に持ってくる管理体制をゲーリー社長の号令の下、徹底させました。

安全第一、品質第二、生産第三

です。それが、今日の「安全第一」の始まりと言われています。

その後、U.S.スチール社は、労働災害が減ったことはもちろん、生産力も取り戻し、業績も飛躍的に伸びていきました。

生産を重視するのなら、「生産」に直接メスを入れるのではなく、今まで軽視されていた「安全」を重視することで、結果的に「生産」や「品質」の成果を上げることができたのです。

「ハインリッヒの法則」と似たような使われ方をするものに、「割れ窓理論(Broken Windows Theory)」があります。

軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで、凶悪犯罪を含めた犯罪を抑止できるとする環境犯罪学上の理論。「建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓もまもなく全て壊される」との考え方からこの名がある。

割れ窓理論(Wikipedia)

アメリカで犯罪多発都市となっていた、ニューヨーク市では、1994年に、治安回復を公約に掲げた市長(ルドルフ・ジュリアーニ)が当選すると、「割れ窓理論」を元に、落書き、未成年者の喫煙、万引き、違法駐車などの軽微な犯罪を徹底的に取り締まっていき、結果として、犯罪の認知件数を5年で減少させることに成功しました(殺人/67.5%, 強盗/54.2%, 婦女暴行27.4%,の減少 割れ窓理論(Wikipedia))

重要なものは直接取り扱わなくても効果を上げられる

U.S.スチール社の例や、ニューヨーク市の例でも共通しているのは、「重要」であるものを直接攻めるのではなく、それに付随して発生する軽微なもの(=なかなか問題として取り上げられないもの)を重点的に取り組みを行ったということです。

私たちの生活に考え方を取り入れると??

私たちが毎日生活を送っていくうえで、なんとなく「こんな風に生活したい」と感じているものはないでしょうか? 例えば…

「充実」した毎日を過ごしたい……
「幸福感」を感じたい……
「安心」して生活したい……
「やりがい」を持ちたい……

その感情につながるであろう些細なことを愚直に一つずつ取り組んでいくのが、「ハインリッヒの法則に従うと」実は一番の近道なのかもしれません。「生産」を重視したU.S.スチールが「安全」に力を入れたように。「治安」を改善したいニューヨーク市が「軽犯罪」の取り締まりを徹底したように。

ただし、そのためには、一つ重要なことがあります。

それは、

ハインリッヒの法則を「使う」ためには、たくさん取り組まなくてはならない。

ということです。1つの「重大事案」が発生する過程で、そのほかに29個の出来事と300個の些細な事が起こります。平均して329個は「重大事案」を発生させるために「必要」ということです。

ということは、とにかく行動を起こすことが必要になってくる、ということです。

(そう考えると、このブログも、330個記事を書くと、一つぐらい、たくさん読んでもらえるヒット記事に出会えるのかもしれませんね)

私たちが達成・到達したい、毎日の生活の目標。その目標に突き進むとすると、それに付随して29の出来事と、300の本当に些細な事が起こります。それらを邪険にせず、一つ一つ取り組んでいきませんか? 一つ一つ取り組むことが、↑の三角形の図のように、しっかりと土台を作ることにつながり、その先には結果が付いて来る……かも?

他愛もないことであっても、真摯に329回積み重ねると、私たちが望んでいた結果へと、思いがけずつながるかもしれません。

★今日の試してみたいことメモ★

  1. 「こんな風に生活してみたい」と思っている理想像を言葉にしてみる。
  2. それ(=理想像)に到達するために、付随する329の事柄があるとすると…
  3. 今日、発生するであろう329回の中の1回目の出来事を邪険にせず、真摯に向きあってみる。

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