「満月の日は気をつけろよ…」
「そうか、今夜は気を付けてね…」
「島田さん、明日、ちょっと早めに様子見に来るから…頑張ってね」
満月には気をつけろ!
以前、介護職をしていたことがあり、夜勤に入る前には、↑のようなことを先輩から言われていました。
先輩は、なぜあんなことを…言ったのか…。
え、狼男…??
…初めは分からなかったのですが、仕事を続けていくうちになんとなく合点がいきました。
満月の日には、認知症による症状(徘徊・幻覚・暴力等の周辺症状。専門用語ではBPSDと言われるもの)が強くでたり、利用者の方が興奮されて、なかなか床に就かれなかったり…といつもと夜の雰囲気が違うのです。
特に徘徊には冷汗が出ました。
しかも夜は基本的に昼より職員の人数がはるかに少ない! 転倒のリスクを抱えた利用者様が一度に動かれると…夜勤組には緊張が走ります…。鳴り響くセンサー! コール! 新人(私)は軽いパニックです。
満月と認知症。気圧が関連している?
果たして、満月と認知症には、関連があるのか…?
調べてみると、似たようなことに関心を持ち調査している例が見つかりました。
例えば、こちらです。
直接「満月」と「認知症」を扱っているわけではありませんが「気圧変動」と「認知症」を対象にしています。
そして、満月になると、気圧はどのように変化するかというと…。
という調査では、海上の気圧と月齢には、関係があるという考察がされています。(この調査を行ったのは、高校3年生! すごい!)
また、
という現象が発生し、太陽の放射や月の潮汐力などの影響を受け、気圧や風の変動が観測されます。
経験則を生かすことができれば、事故は減る?
満月と認知症。結論としては、今後の研究を待つしかありませんが、仮説の一つとして、気圧の変動の影響を立てられそうです。
- 月齢の変化(大気潮汐等)による気圧変動の可能性
- 気圧変動による認知症周辺症状(BPSD)への影響の可能性
です。
ただ、科学的にはまだまだ結論を出せないとしても、経験則として「満月の日に何かが起こりそう…」という体験の蓄積があるのであれば、あらかじめ対策を立てることも可能になります。
例えば、老人ホームであれば、満月の日など気になる日には、
- あらかじめシフトを厚くして見守りが行き届くようにしておく
- 夜勤には新人だけにならないよう、ベテランを混ぜて対応力を高めておく
などの対応は、新規の予算をかけなくても十分可能です。
家庭での介護でも満月の日は変わらないわけですから、「○月○日は満月だから、ちょっと注意しておこう」と家族が先回りして準備しておくことができるかもしれません。
ちょっとしたことで事故が防げるのであれば、やらない手はないですよね^^