西洋の諺。幸せになるには、正直であればいい? それとも髪を切ればいい(笑)?
↓のような諺を聞いたことがあるでしょうか?
どうすれば幸せに生きられるかを説いた、西洋の諺です。
今日、一日を幸せに過ごしたいなら、髪を切ればいい。
この一週間を幸せに過ごしたいなら、車を買えばいい。
この一ヶ月を幸せに過ごしたいなら、結婚すればいい。
この一年をを幸せに過ごしたいなら、家を買えばいい。
もし、一生幸せでいたいなら、……正直でいることだ。※西洋の諺
ちなみに、英語では、様々なバージョンがあり、一例として、↓のような言い回しが紹介されています。
Let him that would be happy
for a day, go to the barber
for a week, marry a wife
for a month, buy him a new horse
for a year, build him a new house
for all his lifetime, be an honest man.ただし、この例では、
- 車が馬に。
- 1週間と1か月が交換(1週間が結婚、1か月が馬)
に変更になっています。
結婚がたった一週間って…(苦笑)。という感想ですが、1か月が馬(horse)で、1年が家(house)だと韻を踏んでまとまりがいいから順番を変えたのか?……と想像しました。
重要なのは、最後の一文なので、馬が先だ、結婚が先だ、床屋が最初だ、家だ…云々の順番は関係ないのでしょうね。
さて、↑の諺ですが、素直に聞くとするならば…、
「そうか、正直になればいいんだ!」
となると思うのですが…。
私のように捻(ひね)くれていると(笑)、
「何々、では、毎日髪を切ればハッピーじゃないか!?」
と考えてしまったりします。そして…
「じゃあ、毎日髪を切ってもらうために、美容師さんと結婚したとして…イエィ!! これで毎日ハッピー!!」
「……だけど、結婚で幸せなのは1か月??」
「……この場合は、一生幸せなのか? それとも1か月で幸せは終わってしまうのか??」
などと、バカなことに考えが飛んでしまいます(笑)。
幸せになるには正直でいればいい…。でも、その「正直」は誰に対して? 他人? それとも……自分?
もちろん、この諺で言いたいことは、
「幸せになりたいなら正直であれ」
です。
これまで、必ずどこかで聞いてきた言葉ではないでしょうか。
でも、単純に、
「分かりました。では、嘘を言いません」
とすれば、幸せになれるのか、というとそれも違うように思います。
この諺の難しいところは、「正直である」ことの対象が、誰になるかを言っていない点です。
他人に対して、でしょうか?
そうであるなら、↑のように、「分かりました。では、嘘を言いません」となります。
他人に対して嘘を言わず、ごまかしをせず、問われたこと・求められたことには誠実に対応していく。確かに、社会生活を送る上では重要ですし、他人と信頼を結んでいくにも、大切なことです。
でも、それで十分でしょうか?
自分に対しては、どうでしょうか? 正直でしょうか?
- 本当はやりたくないこと……
- 本当は会いたくないのに……
- 本当はもっと他のことに時間を使いたいのに……
- 本当はこっちに行きたいのに……
そんな「本当は○○なのに…」という気持ちに蓋をして、「正直」になったつもりになっていないでしょうか?
正直であることの厳しさ。そして、その先にある幸せ。
「他人」に対しての正直さは、いわば表面的な「正直さ」です。
始めから、他人の存在をベースにして(=正しいこととして)自分の態度を決めています。他人というのは、具体的な個人にとどまりません。社会や文化が発する「○○ならこうあるべき」という(男性なら、女性なら、社会人なら、学生なら、日本人なら、コロナの自粛時なら…)無言の圧力も含まれるでしょう。
それでも、
「いや、でも、俺は疲れたよ! 俺は○○をして生きていきたいんだ!」
という気持ち。その気持ちに従って生きていくのが、「一生幸せでいたければ、正直でいること」の意味であり、諺の言いたいことなのだと解釈しました。
……もしそうなのだとしたら、厳しいですね。
……厳しいです。他人の意見に乗っかるのは、不満はあったとしても、圧倒的に「楽」です…。
もし、自分の気持ちに沿って生きていくのであれば、多かれ少なかれ、周りとぶつかります。軋轢を生みます。悩みも当然出てくるでしょう。厳しいです。他人の意見に乗ってさえいれば、避けられるのですから……。
でも、楽であることと、幸せであることは違います。
もし、幸せでいたいのならば、正直になるしかないとするならば……。
今日、どんな嘘を自分についたか、考えてみることも必要になってくるのかもしれません。
★今日の試してみたいことメモ★
- 自分は他人に対して「正直」だったかどうか考えてみる。
- 自分は自分に対して「正直」だったかどうか考えてみる。
- もし「正直」でなかったのなら、どんな嘘をついていたのか、考えてみる。