日常を観察する

「忘れ物が多い…」を笑い話で済ませるために。事故はシステムで防ぐ。

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子どもを車内に「置き忘れ」。痛ましい事故。

先日(2020/6/19)、Yahooのニュースサイトに痛ましい事故の記事(幼児の車内での死亡)が掲載されました。

在宅勤務中の父親が車の中に2歳のお子さんを置いたままにしてしまい、7時間後に発見するも、間に合わず命を落とす…という事故でした。父親は、保育園に預けるのを忘れてしまい、そのまま在宅勤務に入ってしまった、とのことです。

大変痛ましい事故で、ご家族の想いを想像すると、心痛いかばかりか…ご冥福をお祈りすることしかできません。

今回の事故の記事ですが、気になるのは、引用されていた小児科医の坂本昌彦氏の言葉です。

今回のような事故は、実は誰にも起こりうる。『私は絶対にしない』『するわけがない』と思っている人ほど気をつけるべき

小児科医の坂本昌彦の話(yomiDr.)

誰にでも起こり得る「忘れ物」

今回の事故ですが、誰でも起こり得る事故、だと指摘されています。

それどころか、

”『私は絶対にしない』『するわけがない』と思っている人ほど気をつけるべき”と強調されています。

記事では、人間は、

  • 激しい気分の落ち込み
  • 反対に気分の高揚
  • 大きなストレス
  • 複数の課題をこなさなければならない「マルチタスク」状態

にあるときには「作業記憶(短い時間、情報を一時的に保ちながら,複数のことを同時にこなす能力)に影響を及ぼす」とする海外の研究結果が紹介されています(同上記事より)

真夏の車内温度。熱中症の危機。

これから、夏に向かいます。猛暑どころか酷暑とも形容される日々がやってきます。毎年、夏には辟易…、そんな人も多いのではないでしょうか?

真夏の炎天下。この影響を直接受けてしまう「場所」の一つが直射日光に晒された「車内」です。

JAF(日本自動車連盟)が8月下旬に、炎天下に駐車した車内の温度変化と熱中症の危険度の関係を調べた実験があります。

この調査では、結論として、真夏の炎天下に駐車された車の場合、エアコン停止後15分で熱中症指数(WBGT)が「危険」レベルに達してしまうことが指摘されています。

「ほぼ安全」「注意」「警戒」「厳重警戒」「危険」の5段階に熱中症指数が分けられており、15分ではなく、エアコン停止後、ほんの2~3分でも指数が「ほぼ安全」から「注意」に進行してしまいます。

ちょっとした用事で車を離れてても、すぐに用事が終わるとは限りません。

  • 知り合いに会うかもしれません。
  • 用事が長引くかもしれません。
  • 「そういえば…」と急に新たな用事を思い出すかもしれません。

また、すぐ車に戻るつもりで、エアコンを着けっぱなしにしたとしても、いつ車のエンジンがオーバーヒートしてエアコンが止まってしまうかもしれません。

誰にも起こり得るのだとしたら、システム(環境)で防ぐしかない

記事でも触れられているように、「置き忘れ」は誰にでも起こりうる「事故」です。ちょっとした忘れ物であれば、毎日のように繰り返してしまうことすらあります。

誰にでも起こり得るのだとしたら「自分は大丈夫」という過信を捨てて「忘れる可能性があることを前提に」して組み立てていくしかありません。

解決策:「後部座席に貴重品を置く」

そのための解決策として、後部座席に貴重品を置くようにするというのはどうでしょうか? 記事でも触れられている工夫ですが、チャイルドシートの隣に「必ず車内から持ち出す貴重品」を置いておく、という方法です。

こうすれば、もし忘れて車を離れることがあったとしても、「必ず」取りに戻ります。「必ず」取りに戻らなければならないものを置いておくのです。

解決策の応用:PA/SAでのトイレの置き忘れ防止

これと同じ方法を高速道路のパーキングエリア/サービスエリアで応用した成功例がありました。

PA/SAでは、日ごろより、トイレ内の忘れ物に頭を悩ませていました。

確かに忘れてしまうと大変です。利用者が本線に戻ってしまっては、逆走することもできませんし、一般道とは違って、取りに戻るにもしても、届けるにもしても、双方に大変な労力が必要になってきます。

そこで、トイレの個室に、ある仕掛けを施しました。その結果、なんと、

●設置前:合計54件(携帯電話22/財布23/鍵1/そのほか小物8)

●設置後:0件

トイレ個室内の忘れ物数(くるまのニュース)

54件あった忘れ物がゼロになりました。

果たして、その方法とは……。

個室のカギを小物置きにしてしまったのです。開発者は、個室に入った人は「必ず」最後にカギに触れることからこのアイデアを思い付いたとのこと。

トイレで小物を別の場所に置いてしまうと、確かに一瞬、視界から荷物が消えてしまいます。すると、↑の記事にもあるように、ストレスがかかる状況などでは(車の運転も、もちろんストレスのかかる状況です。「急いでいる」など状況が重なればなおさらでしょう)、作業記憶に影響を与えます。

この例から考えると、電車の網棚など危険ですね。

1.移動している(次の予定が頭にあり)。
2.網棚に置くと視界から消える 。
3.駅ではドアが開いている間に降りなければならない。

忘れ物をしやすい状況が整っています。

PA/SAに設置された巨大鍵。人間とストレスの関係にまで注目した、納得の「忘れ物対策」です。

「最近、忘れ物が多いなあ……」

笑い話で済んでいるうちに対策を取っていきましょう。「過信」と「自信」は違います。「何か」が起こってしまってからでは、遅いのですから…。

★今日の試してみたいことメモ★

  1. 「自分は大丈夫」というのが、単なる思い込みであることを理解する。
  2. 「貴重品の置き場所」を再検討してみる。

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