夏の太陽が燦燦と降り注ぐ季節。緑あふれる芝生は、私たちの心を癒やしてくれます。特に、日本家屋にも馴染み深い高麗芝は、その丈夫さと美しい緑で、多くの人の庭を彩っています。しかし、夏の暑さや乾燥は、高麗芝の生育を妨げる要因にもなりえます。この記事では、夏の高麗芝の育成について、水やり、刈り込み、肥料など、具体的な手入れ方法を詳しく解説していきます。
夏の高麗芝の特徴と注意点
高麗芝は、暑さや乾燥に比較的強い品種ですが、夏の高温多湿な環境下では、生育がやや鈍る場合があります。また、夏の強すぎる日差しは、葉焼けの原因となることも。さらに、雑草の繁殖や病害虫の発生も、この時期は活発化します。
水やり：生命の源をたっぷりと
夏の高麗芝にとって、水やりは最も重要な作業の一つです。土壌の表面が乾いたら、たっぷりと水をやりましょう。特に、日中の高温時には、蒸散が激しくなるため、早朝または夕方に水やりを行うのがおすすめです。
水やりのポイントは、土壌全体に水を浸透させることです。表面だけを濡らすのではなく、根までしっかりと水を届けるようにしましょう。また、雨が多い時期は、過湿にならないよう、排水に気を配ることも大切です。
刈り込み：美しいシルエットを保つために
芝生を美しく保つためには、定期的な刈り込みが欠かせません。夏の高麗芝は、生育が旺盛なため、こまめな刈り込みが必要です。一般的に、芝の高さが5cmを超えたら刈り込みの目安とされています。
刈り込みの際には、以下の点に注意しましょう。
- 刃のメンテナンス: 刈り込み前に、芝刈り機の刃を研いで、切れ味を良くしておきましょう。切れ味が悪いと、芝が切り裂かれてしまい、病害虫の侵入経路となる可能性があります。
- 刈り込みの高さ: 一度に多くの高さを刈り込むと、芝に大きな負担がかかってしまいます。1回の刈り込みで、芝の高さを3分の1程度に抑えましょう。
- 刈りカス: 刈りカスは、芝生の生長を阻害するだけでなく、病害虫の発生源となることもあります。こまめに刈りカスを掃除しましょう。
肥料：力強い生長を促す
肥料を与えることで、高麗芝の生長を促進し、丈夫な芝生を作ることができます。夏の肥料は、窒素成分を多く含んだものを選ぶと良いでしょう。窒素は、葉の生長を促す働きがあります。
肥料を与える時期は、梅雨明け後から9月頃が一般的です。肥料の種類や与え方については、製品の説明書をよく読んでから行いましょう。
雑草対策：美しい芝生を守るために
夏の芝生には、さまざまな雑草が生えてきます。雑草は、芝生の栄養を奪い、生育を阻害するため、こまめな除草作業が必要です。
- 手引き: 雑草が小さいうちに、根ごと引き抜きましょう。
- 除草剤: 広範囲に生えている場合は、芝生用の除草剤を使用することも検討しましょう。
- マルチング: mulch （マルチング）とは、土の表面を覆うことで、雑草の生育を抑制する手法です。
病害虫対策：健康な芝生を維持するために
夏の高温多湿な環境下では、芝生病や害虫が発生しやすいです。
- 芝生病: 赤枯病や立枯病などが代表的な芝生病です。病気に感染した部分は、こまめに取り除き、殺菌剤を散布しましょう。
- 害虫: コガネムシの幼虫やバッタなどが、芝生の根を食い荒らします。害虫を見つけたら、駆除しましょう。
夏の終わりに備えて
夏の終わりには、秋の生長に向けて、芝生の手入れを行いましょう。
- エアレーション: エアレーションとは、土壌に穴を開けることで、通気性を良くし、根の生長を促進する作業です。
- トップドレッシング: トップドレッシングとは、土壌の上に薄く砂や腐葉土などを覆うことで、土壌改良を行う作業です。
夏の高麗芝の手入れは、水やり、刈り込み、肥料、雑草対策、病害虫対策など、さまざまな作業が必要となります。これらの作業をこまめに行うことで、美しい芝生を維持することができます。